米国公認会計士(USCPA)は、会社経営に不可欠な会計や税務、財務などの基本的な能力があると米国公認会計士協会が認めている会計士資格を指します。
日本の公認会計士との違い
USCPAと日本の公認会計士との違いとして、国内の公認会計士試験では会計のエリートを選抜するためのものであり、難易度を上げることで公認会計士の人数を一定に保ちながら過当な競争を予防することを目的としています。
そのため合格までの学習には約3,000時間を要するほど非常に難関です。
米国公認会計士試験では、年間一万人の合格者がいて、難易度は日本よりも低く受験生の過半数を社会人が占めていることが特徴の一つです。
合否は会計士としての基礎力の有無を測り、合格して資格を取得した上で実務経験を積む必要があります。
資格保有者が比較的多いことから合格後の競争が日本より厳しい特徴を持ちます。
日本人がUSCPAの試験を受けるメリット
では日本人がUSCPAの試験を受けるメリットの一つに、仕事の将来性を広げる事ができることが挙げられます。
日本の企業は近年グローバル化が進んでおり、海外子会社や投資先の経営分析を行う際に英文財務諸表を読み取ることが可能な米国公認会計士のニーズが増えています。
実際に大手の会計事務所でも日本の公認会計士と同様の扱いを受けることが可能になっているなど、日本国内のキャリアアップを目指している人や、転職を考えている方にも有利な資格の一つだと注目されています。
では実際にUSCPAを取得するメリットには、国際的に最もよく知られている資格の一つであることから、グローバル事業を行う大手企業の採用担当者にも認識されやすく、採用選考時に資格を保有していることで高評価に繋がる可能性を持ちます。
香港やカナダ、オーストラリアでは、相互承認制度を設けているため新たに会計士の資格を取得する必要はありません。
また資格を取得するためには国際的な会計実務を英語で学ばねばならず、財務擁護等を理解する英語が必須となります。
そのことから自分の考えを英語で的確に表現する能力も求められるため、資格保有者であればその人物は優れた英会話力があることの照明にもなります。
実際にUSCPAになるためには
では実際にUSCPAになるためには、全米統一されている試験に合格した後、実務経験を積んでライセンスを取得する必要が出てきます。
年齢の制限は原則的に設けられておらず、誰でも受験をすることが可能です。
また受験資格として大卒以上の学歴が必要ですが、アメリカの大学の単位を取得することで受験資格が得られるケースがあります。
必要とされる科目や単位数は、州によって違いが出てくることから事前に確認しておくことが大切です。
試験内容はPCで回答を入力する形式となり、科目は「諸法規」と「監査および諸手続き」、「財務会計」と「企業経営環境・経営概念」の4つです。
1科目ごとの受験も可能となっているので、最初に科目合格した日から18ヶ月以内に全科目合格することができれば資格が得られる仕組みです。
検定にかかる費用は出願する州によって異なりますが、約100~200程度かかり、合格率は45%となります。
USCPAの資格を得るための学習方法
ではUSCPAの資格を得るための学習方法として必要となるのが、十分な学習時間を確保することだと言われています。
一般的に合格するまでに必要とされる勉強時間はおよそ1,000時間ほどで、1週間に20時間ほど勉強することができれば約1年で合格することができるチャンスがあります。
ただ社会人の方の場合勤めながら勉強をすることは非常にハードルは高いことから、仕事の繁忙期なども考えながら勉強の計画を立てて進めていくことが重要になります。
学習のコツとしては生活に無理のない方法で効率よく勉強を進めることであり、eラーニングコースを受講する場合は自宅以外の場所でもスマートフォンを利用すればスキマ時間を利用して勉強が行えるのでおすすめです。
最終更新日 2025年8月6日