2021年の自由民主党総裁選挙には4名の候補者が立候補し、そのうちの半数にあたる2名の方が、女性政治家でした。
それはまさに女性活躍時代とも言われ、結婚後も家庭外での仕事を続け、キャリアを築き続ける女性が増えた現代日本の世相を反映しているような展開で、いつになく総裁選に興味を惹かれた方も多かったのではないかと思います。
かつて元アナウンサーで政治家の畑恵がいましたが、これから畑恵氏のように活躍する女性政治家が増えてくることは間違いないでしょう。
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岸田文雄新首相の誕生
2021年の自由民主党総裁選の結果は、ご存じの通り岸田文雄新首相の誕生という結果になりました。
票を集めた順に順位をつけるとすると、続く2位が河野太郎議員、続く3位が高市早苗議員、4位が野田聖子議員という順番でした。
今回の総裁選では日本初である女性総理大臣の誕生という結果にはならず、また女性候補のお二人は上位2位に食い込むことも叶いませんでした。
しかし、総裁選の告示後からは4名の首相候補が連日テレビで自分の政策案などを話す姿が見られましたが、大勢の人の視線を集めながらもハキハキと持論を述べる女性政治家の姿に、日本初の女性総理大臣の誕生もそう遠くない未来にあり得るかもしれないと思われた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
そこで、女性候補お二人のうち一番多く票を集めた、現在の日本で日本初の女性総理大臣の座に一番近い女性政治家の一人とも言える高市早苗議員についてご紹介させていただきます。
高市早苗議員とは
2021年の総裁選に出馬した4人の候補のうち、高市早苗議員をのぞく3名の候補者は親族や親などが国会議員、それも大臣などの要職を務めたいわゆる「二世議員」です。
ですが、高市早苗議員だけは違いました。
高市早苗議員は、1961年(昭和36年)3月7日奈良県生まれ。
トヨタ系列の自動車会社勤務の父親、婦人警官の母親の間に誕生した、いわゆる一般的な家庭のご出身です。
日本で政治家になるのは「ジバン(地盤)=選挙区内の支持者の組織・後援会」、「カンバン(看板)=知名度」、「カバン(鞄)=選挙資金」の3つの「バン」が必要であるとされています。
世襲候補、旧藩主家出身者、地元有名企業のオーナー一族、芸能人、文化人、スポーツ選手等は十分な後援組織や知名度、選挙資金を持っていることが多いですが、それをも持たない一般家庭の出身者が政治家になるには、大変な苦労が伴うと言われています。
高市早苗議員の経歴を見ると、政治家に必要な「3つのバン」を持たない、それも女性の政治家が、首相候補にまでなったことに、まずとても驚かされました。
出身大学も東京の大学や学費が高額な有名私立大学ではなく、地元の近畿地方の国立大学である神戸大学に進学し、経営学研究科・経営学部を卒業しています。
その後は公益財団法人松下幸之助記念志財団・松下政経塾に入塾し、さらにアメリカ合衆国にわたり、民主党下院議員のパトリシア・シュローダーの個人事務所で勤務をしました。
2021年度総裁選後は自身2回目となる自由民主党・政務調査会長として活躍中
そして帰国後は情報番組のキャスターや大学などで働きます。
初当選は1993年。
その後は通商産業政務次官、経済産業副大臣(3回任命)、内閣府特命担当大臣(3回任命)、そして総務大臣はなんと5回も任命され、史上最長在職期間を記録しています。
2021年度総裁選後は自身2回目となる自由民主党・政務調査会長として活躍中です。
女性活躍時代といわれる現在でも稀なほど、政治の要職を長く務めてきたことがよくわかります。
2021年に世界経済フォーラム(WEF)が発表した世界各国の男女平等の度合いを示すランキング「ジェンダー・ギャップ指数」は、日本は156カ国中120位でという結果でした。
121位だった昨年2020年とほぼ横ばいの結果で、これはG7の中では最下位であり、先進国の中でも最低水準です。
女性議員の活躍、女性総理大臣の誕生を待ち望む声も大きい
「教育」と「医療アクセス」の分野では日本にジェンダーギャップはほとんどないとの高評価を受けています。
しかし「経済」は117位(前年は115位)、「政治」は147位(前年は144位)とこの2項目での低評価が足を引っ張ってしまいました。
「政治的な意思決定への参画」分野の評価は「国会議員(衆院議員)の女性割合」が140位(スコア0.110)、「女性閣僚の比率」が126位(スコア0.111)、「過去50年の女性首相の在任期間」76位(スコア0)等と、政治関連の女性進出の遅れが際立っています。
それだけに女性議員の活躍、女性総理大臣の誕生を待ち望む声も大きく、その有力候補である高市早苗議員の活躍に、今後ますます大きな期待と注目が集まっているのではないでしょうか。
高市早苗議員の考えは保守的ともいわれ、選択的夫婦別姓制度に慎重な姿勢などでも知られています。
そういった姿勢を残念がる声も多いですが、他の候補が賛成する制度でも自身が疑問に思えば慎重な姿勢を、他の候補が反対する政策でも自身が大切だと思えば積極な姿勢を臆することなる示す姿は、とても力強く印象に残りました。
まとめ
性別はその人を構成する要素の一つであることは間違いないですが、性別ではなく、「何をするか」で評価される時代が来るよう、高市早苗議員には先陣を切って挑んでいただきたいです。
最終更新日 2025年8月6日